夏から秋へ
子供達の夏休みと同じように、夏休みの間に片づけようと思っていたことが、何一つ片づかずあせっています。
8月から9月は、和菓子作りには一番困る季節なのです。先日も秋、冬のお菓子の撮影のために、質のいい大納言小豆と栗を使いたいと思いましたが、もちろん生栗は9月下旬でなければ、手に入らないし、甘露煮もほんとうに欲しかったものは手に入らず、大納言小豆も店頭には残りわずかになっていました。この時期は、和菓子の材料、とくに小豆は新豆が出てくる前のちょうど端境期にあたります。
この頃になると、よく、皆さんから「小豆が上手に煮られない。どうしたら?」という質問をいただくのですが、昨年の秋、収穫された小豆は、ほぼ一年たっているので渋(小豆のあく)も強く、なかなか煮えません。お米と同じように、新豆と8月、9月頃の小豆とでは同じように煮るという訳にはいかないのです。お米だって新米の時の水加減は少しすくなめに、そして味もちがうでしょ。
8月、9月頃の小豆を煮る時には、渋切りにも時間をかけて、そして、煮る時間も多めにかかります。小豆は年中煮ていると、自然にそのへんのカンドコロがつかめてきますが、煮上がってくると甘い匂いがして、小豆の方から”もう煮えていますよ”と教えてくれるのです。
煮ている間、ずーっとコンロの前に立っている必要はありませんが、常に、小豆の反応がわかる位置にいてください。たとえば、蒸気がたくさん出てきたら、すぐ火を細めたり、差し水したり、なにかしながらでもいいから、なるべくそばにいてあげてください。
*小豆畑*
先日、小豆をお願いして作っていただいている農家、寺本さんの畑におじゃましました。
もう、早いものは実っていて、おばあちゃまがこの暑いのに、ひとふさ、ひとふさ手でつんで収穫し、干しているところでした。ささげと小豆は、八月中旬からぼつぼつ摘んで、10月までかけて乾燥し、仕上げるのです。
今年は雨が少なかったので(関東は)小豆の出来はもうひとつ、といったところで収穫量は少ないようですが、この畑では5月に種をまき、6、7、8月と丹念に栽培し、摘んでいただいているので、とってもおいしいし、粒ぞろいです。
10月にこの新豆を煮るのが楽しみです。
金塚 晴子
へちまのたね:夏から秋へ
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