葛の季節です
教室で今月お教えする和菓子は水まんじゅう、錦玉、葛桜です。どれもひんやり、つるんと涼しげです。
葛は葛桜やくずちまきだけでなく、いろいろな和菓子に素材としてまぜて使われています。たとえば、ういろうや錦玉と合わせたり、蒸し羊羹などにも使われ、見えないところでも大事な役割をしています。日本料理にもごま豆腐など使われますよネ。
葛は加熱していくと、変化が急激なので電子レンジよりも鍋を火にのせたり、おろしたりしながら練り上げていきます。
さて、葛は秋の七草のひとつ。葛粉は葛の根のでんぷんで、作り方を大まかにいうと、まず、葛の根をたたいて、繊維状にして水につけてよくもみ洗いし、その水を布袋いに入れてよくしぼります。
しぼり汁を容器におとして、静かに置いておき、葛が沈殿したら、うわ水だけ捨て、水をかえ、水がきれいになるまで作業を繰り返します。最後に水を捨て、黒ずんだ部分を水で洗いおとし、容器の底にかたまっている葛をはがして割って、乾燥させるそうです。
葛の根は直径が10cm〜15cmほどもありそうな太いもので、この作業は大変そうです。(葛記念館の本を参考にしました)
葛はほんとうに品質の良し悪しの幅が大きい材料です。お値段もピンからキリまで。やはり良い葛を使うと透明度も高く、お菓子を作る時にもまとまりがよく、作りやすいと思います。
私は以前は奈良や九州のものを使っていましたが、最近は福井のものを使っています。葛はほのかな香りと弾力を楽しむものですから、少しの差が大切。葛の産地も吉野、秋月、熊川などいろいろですが、どの産地のものがいいかはまだまだわからないし、産地だけでも決められるものではないと思います。
昨年訪れた、石川県加賀市の和菓子司「福分」さんのご主人にうかがったことですが、葛は採れた年によっても違うし、また何年か寝かせることでも変わってくるとおっしゃっていました。その「福分」さんの「水蛍」という葛菓子、ほんとうにおいしかったんですよ。
葛ひとつとってみても、和菓子の材料は奥が深く、天然、自然のものなので、ほんとうに土と水が良くなくては、いずれにしろ良い材料にはならないのですネ。
金塚 晴子
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