薯蕷まんじゅうのコツ

私の本を見て、いろいろ和菓子を作って楽しんでくださる方からの質問で一番多いのが、薯蕷まんじゅうです。
先日も蒸したら半透明になってしまったという方や、なんだか生地がポロポロしてしまって、包むとひびが入ってしまうという方など、失敗する方も多いようです。
なにぶんにも薯蕷まんじゅうは、山芋の力でふくらませるおまんじゅうなので、山芋のねばりや、水分量がおおいに影響してくるのです。
まずは芋選びが大切。大和芋ならばなるべく肌のきれいな部分を使います。つくね芋を使う場合でも同じです。黒ずんで固い部分はさけましょう。
そして、すりおろした山芋と砂糖をまぜる時は、砂糖は3〜4回に分けて、まざったらまぜ、まざったらまぜる。という風に砂糖を入れていきます。砂糖と山芋がよくまざった時点であまりこしが強いようなら、なおよくすります。こしが弱いようなら、すりすぎないように。
粉のまぜ方は粉の上に山芋種をのせて、山芋種に粉をまぶして、しっかり山芋種を押しながら、粉を入れていきます。混ぜるのではなく、種の下にある粉を種を押しながら入れていく感じです。山芋種のこしがちょうどよいようなら粉がいくぶん残ったくらいで、弾力のあるマシュマロのような生地になります。
生地が出来たら、あんを包みます。なかに入れるあんこはやわらかめがおいしく、固くなりにくいけれど、包むのがむずかしいかもしれません。
全部あんを包んでしまう前に一個だけ包んで、テスト蒸ししてみてください。

写真(上・中・下)の下は種のこしが強すぎるか、粉が残りすぎて割れてしまったものです。その時は残りの生地にもうすこし粉を入れるか、種にかるく霧をかけて粉を入れて調整します。
写真(中)くらいの割れだったら、テスト蒸しの時の火加減よりすこし弱い火力にして蒸してみてください。それで割れなくなるかもしれません。
そして、最初のうちは包むのにも時間がかかるので、出来上がった種が乾燥しないように、分割したものは粉の上に置きっぱなしにしないで、粉をさけてラップ等をかけておきましょう。
最初は失敗しても、何回か作るうちに、もうどんな芋でも大きな失敗はなくなります。
おいしい薯蕷まんじゅう、がんばって!