時間は、目で見ることが出来ない不思議な存在です。たとえば、何かに夢中になり、あっという間に過ぎゆく愉しい一時も、誰か大切な人を待ちこがれる時間も、あるいは夜眠りについている時も。時計の針は淡々と時を刻み続けています。そんな1秒ずつ直線的に進む時間と、もう一つ、大きな時間の流れがあります。それは歴史という、今までに積み上げられた悠久の時間です。まるで時に色を付けるように日本画を描く際に用いられる「岩絵の具」を文字盤にあしらった腕時計、はなもっこの「こないろ」。1点ずつ、手漉き和紙の文字盤に色付けするところから職人の手で組み立てられています。岩絵の具とは飛鳥時代からずっと変わらない技法で使い続けられている、世界でも類を見ない美しい絵の具。幾重にも塗り重ねて表現される岩絵の具の色彩は法隆寺金堂旧壁画や高松塚古墳にも使われており、その高い耐光性により、1300年以上たった今でもあせることなくその美しさを伝えています。かつて、私たちの身の回りは着物をはじめ、櫛、かんざしなどの装飾品や唐紙、掛.
はなもっこ