道明寺について

4月になると、 ここ中目黒の目黒川沿い界隈は桜の花が満開。
ここ数年、お教室に入会された生徒さんには、2種類の「桜餅」の作り方からレッスンをスタートしていただいてます。
桜餅2種類とは…「道明寺」と「焼き皮」のこと。
さて、その「道明寺」というのはどうやって出来ているかというと、もち米を蒸してから乾燥させ、それを丸のまま四ツ割、五ツ割、細か挽き(頭道明寺)にしたもので、昔の携行食、まぁ現代風にたとえるならレトルト米と言えましょう。
その発生の地が大阪藤井寺の道明寺と言われ、今から千年程の昔、菅原道真が九州太宰府に左遷された頃までさかのぼります。当時、道明寺におられた道真公の伯母様にあたる尼僧が、道真公の無事を祈って供えた御飯を干して、それをお参りにくる方々にお下げになった所、その米をいただくと病が癒えるという噂が広まり、以来人々の求めに応じて干飯(糒)を作られたことが始まりと言われており、その後寺の名を取り、糒のことを道明寺と呼ぶようになったようです。

今でも藤井寺の道明寺では道明寺粉が売られていて、そのパッケージもなかなか雰囲気があり、その袋に書かれている文字「糒」は豊臣秀吉公の筆なるものと言われています。
中身は多分4ツ割、私のレシピでも大丈夫。大阪にお出での際はちょっと立ち寄ってみるのも楽しいかなと思います。